実録:築古マンションを早く高く売るまでのリアル

はじめに

情報収集が得意で、仕事柄、自分で体験して解決策を探るのが好きです...
私は、首都圏に住む60代前半の男性です。
大手新聞社で長く経済取材や企業取材、
生活関連の取材をしてきた経験があります。
いまは自由に取材活動やサイト作りを楽しんでいます。
子供が独立したので、
妻と新しい住まい方を探って2023年4月、
27年間住んだ3LDKマンション(約64㎡)を売却しました。
虎の子の資産なので買いたたかれないように、ものすごく情報収集しました。

何事もやりすぎる癖があり、
首都圏でこれはと思う不動産会社には、
ほとんどすべて査定を依頼しました。
そうしたら、素晴らしい出会いがあり、
うれしい結果を得ることができました。
数カ月たってもうれしさの余韻からさめることができず、
同じように悩んでいる方々とシェアしたいと思ったものですから、
このブログを作っている次第です。

買取結果

築27年の3LDKマンション(約64㎡)
首都圏の私鉄駅から徒歩10分

▼ある不動産会社が周辺物件の価格などをもとに調べてくれた相場
2,107万円

▼その会社がおすすめしてくれた、
仲介による売出価格
=ここから下げていく
売出提案価格:2,100万円~2,200万円(ここから仲介手数料を引く)
チャレンジ価格:2,300万円~2,400万円(ここから仲介手数料を引く)
その会社が買い取る場合の買取価格:
1,650万円~1,750万円

▼私が買取会社に売った価格:
2,200万円台前半
リフォームの出費ゼロ!
仲介手数料(推定80万円ほど)はもちろん不要でした!
残置物撤去は無料 ←これ、地味に凄い!
退出はこちらが希望した1カ月後(もっと先でもよかったそうです)

要するに、仲介方式で限界まで高値を攻めるところまではしていないですが、仲介で期待できる値段、あるいはそれ以上で、内覧対応に数カ月とか半年とか付き合うことなく、たった3週間でスマートに売れました。しかも買取の場合には、仲介手数料(多くは販売価格の3%+6万円+消費税)をとられることがありません。さすがに、契約先の不動産会社に失礼かと思いますので、露骨に契約金額まで明示することは控えさせていただきますが、4社から2,200万円~2,300万円の最終査定をいただき、その中から営業担当の方との相性なども加味して選ばせていただきました。かなり高額費用がかかるはずの残置物撤去についても無料にしてもらえました。契約までに3週間ほどでしたが、もし私のように24社から回答を待つようなことをしていなければ、最短数日で売れたそうです。もちろんリフォームなどする必要ありません。後述しますが買取会社はリフォームのプロで、買い取った後に自分たちでリフォームをします、仲介だと買主に対してこちらが気を配り、あれこれ譲歩する必要がありますが、直接買取だとこちらがお客様の立場で、どんどん要望を出し、相談に乗ってもらえるのもいいですね。

ステージ1:情報収集

今は一括査定に誘導したがる情報があふれているのですね。けれども、自分の目で情報の真偽を確かめ、やるべきことを考えていきました。

マンションを売った経験がまったくなかったので、まずは徹底的に情報収集しました。1週間ほど、ネットやSNSを検索し続けて、目が痛くなるくらいに情報を読み漁りました。

個人的に、築古マンションなので仲介に出してもあまり高く売れない、いや、そもそも売れないかもしれないという不安がありました。それに、近所付き合いの手前、マンションの玄関に「内覧会」の表示を出して一般の人を出迎えるのが「いやだなあ」という思いが強かったです。マンション売却にあまり長い時間をかけたくもなかったので、自然と「直接買取」に目がいきました。

直接買取の場合は、相場の6~7割くらいまで買い叩かれるという情報が目につきました。「これを何とかして、直接買取でそこそこ高額の査定を引き出せないか」という点に関心が向かいました。

情報収集していて痛感したのは、ネットの世界に直接買取についての情報が本当に不足しているということです。もっと言わせていただくなら、自分でマンションを売買したこともないようなライターさんたちのいい加減な記事が多すぎます。直接買取について「相場の6〜7割程度に買い叩かれる」と脅かして仲介に誘導し、仲介なら一括査定サービスで競わせるのがよいと持っていくパターンが目立ちますね。

買取をすすめる記事でも、複数の会社から査定をもらうのが必要と指摘して、一括査定サービスの利用をすすめるパターンが散見されました。このおかげで私も一括査定サービスが気になり、うっかり利用して時間を無駄にしました。「許せない」という思いがこのサイトを立ち上げた大きな原動力になっております。後述しますが、買取会社の方々にお会いしたら、不動産流通に革新を起こしたいという志のある方も少なくなかったです。買取について理解の浅い記事には本当にご用心ください。すみません、熱くなってしまいました......。

さて、そのようなわけで欲しい情報にはなかなか出合えず、「これはもう自分で徹底的に突撃していくしかない」と腹を決めました。そこで直接買取に応じてくれる不動産会社を片っ端から探して、合計40社ほどの一覧表を作りました。この中から、首都圏で実績の高い24社に絞って、机上査定をお願いする第2ステージに進みました。

なけなしの財産を安く買い叩かれるわけにはいきませんから、後悔することのないように、できる限り多くの査定情報を集め、少しでも高く売れる道筋を探ることにしました。

ステージ2:机上査定(無料です)

24社の中から最強の買取会社を探す!私ほど徹底的にする必要はないと思いますが、ここにご紹介する手法であれば、何社とやりとりしても余裕で管理できると思います。以下に、机上査定結果の一覧表も付けておきますので、いかに価格差があるかご覧ください!

A社 2,200万円
B社 最低価格保証2,030 万円 ほかに提携先500社にオークションも可能
C社 2,100万円 定期借家1年賃料7万円~8万円
D社 (机上査定は依頼せず、いきなり訪問査定を依頼)
E社 2,000万円は超える。内容次第で2,100万円
F社 2,000万~2,050万円
G社 1,900万円~2,000万円
H社 1,700万~2,000万前後
I社 1,800万円~1,900万円 提携業者の査定額1,700万円~2,000万円
J社 1,800万円前後
K社 1,800万円
L社 1,700~1,800万前後
M社 1,700万円~1,900万円
N社 1,700~1,800万円
O社 1,700万円前後
P社 1,650 万円 〜 1,750 万円
Q社 1,500万円前後
R社 1,300~1,500万円
S社 1,200万円~1,500万円
T社 仲介のみ。提携先の買取業者に紹介はできる
U社 仲介のみ。提携先の買取業者に紹介はできる
V社 買取の査定はできない。仲介のみ
W社 買取の査定はできない。仲介のみ
X社 買取の査定はできない。仲介のみ

各社のホームページやサービスサイトを通じて、その査定依頼フォームからどんどん机上査定のお願いをしてみました。

査定には、(1)まず立地や築年数や間取りなどから大まかに算出する「机上査定」、(2)実際に訪問してもらい、部屋をチェックして算出してもらう「訪問査定」、この2種類があります。前者の机上査定については、ほとんどの会社がホームページから受け付けています。そこで、この机上査定の結果を集めていきました。

注意点1:リストを作って整理する

私のように20社以上に査定依頼する方は少ないかもしれませんが、いずれにしても少しでも競争原理が働いて高くなるように、できるだけ複数の会社から査定を受けることをおすすめします。その際、混乱しないように、査定依頼先の不動産会社リストを作って整理しておきましょう。Excelでも、Googleのスプレッドシートでも何でもいいのですが、下記の項目を逐次記入して、混乱しないように気をつけましょう。

・不動産会社名(あるいはサービス名)
・サイトURL
・机上査定依頼の「済・未」チェック欄
・担当者名
・受け取った机上査定の内容
・備考

注意点2:電話でなくメールでやりとりする

机上査定を依頼するときには、連絡を電話ではなく、できるだけメールで受けることをおすすめします。電話ですと、いきなり連絡が来た時に、その会社とどこまで交渉しているのかすぐに思い出せないことがあります。それに、たくさんの電話で煩わされたくないですよね。

机上査定の依頼フォームには、自由記入できる連絡欄などがあります。そこにメールでの連絡を希望することを明記しましょう。自由記入欄がないときには、私は、名前や電話番号などの記入欄に強引に「メールでの連絡希望」と書き足しておりました。日ごろ自分でサイト作りをしているので分かるのですが、そうしたところに文字を付け足しておいても、字数制限などがない限り問題ありません。かえってメール連絡の重要性をアピールできると思います。電話連絡に振り回されず、あくまでもこちらのペースで交渉することが大切だと思います。

私が受け取った机上査定の一覧

お世話になった不動産会社の皆様にご迷惑をかけることがないように、社名を伏せて、比較できる数字に限定して、まとめさせていただきました。私はこれらの机上査定を比較して、最終的にA社からD社までの4社に訪問査定を依頼しました。。

※D社については最初、机上査定をお願いしていなかったのですが、後からD社が有望だと気が付き、訪問査定を受ける第3ステージの途中で机上査定をお願いしました。D社の方に最低2,000万円以上の会社に訪問査定をお願いしている旨を伝えたところ、それを前提に訪問査定をしたいと言われましたので、いきなり訪問査定を受けることになりました。

1,000万円近い価格差が出ました!

※ 最終的に、前掲の一覧表のうち、A~D社に訪問を依頼しました
この机上査定結果について、以下に、いくつか補足させていただきます。

有名な不動産会社ほど低い査定が目立ちました

リストをご覧いただければ一目瞭然ですが、机上査定の段階で、各社の査定額にはすでに約1,000万円もの開きがあります。広告を大量に出している大手総合不動産会社ほど、下のほうに沈んでいます。もしあなたが、R社やS社(どちらも超大手優良企業)だけに査定を依頼していたら、どうなったでしょうか。低い査定に甘んじることがないように、高額査定が期待できる会社を中心にして、ある程度の複数のところに査定依頼することがとても大切だと思いました。

ホームページで言っていることと実際の査定が違う!

実際に机上査定してもらうと、その不動産会社が私のマンションに対してどれほどの思いで対応してくれるのか、透けて見えてきます。やはり実際に依頼してみることが大事だと強く感じました。ホームページで、自社は買取であっても相場の9割前後の高額査定だとうたっている会社がありました。ところが、その会社の査定額は、ひどく低いものでした。ネット情報に騙されてはいけませんね。自分で手を動かして査定依頼をして、生の情報をたくさん手に入れることは本当に欠かせないと思いました。

仲介を前提にしている会社が多い

日本ではマンション売買といえば、仲介を大前提にしているところがまだまだ多いようです。机上査定をお願いしたところ、残念ながら買取額ではなく、仲介の査定額を出してくる会社が何社かありました。きちんと買取の金額を出してくれるように頼んだところ、仲介のほうがいいと諭されました。さらに、買取の査定はしていないところもありました。こんな状況では、「買取ではなく仲介がいい」という空気に流されてしまってもおかしくないですね。

買取を選ぶことに勇気がいるいまの日本に、個人的には大きな疑問を感じます。もちろん買取がすべて良いとは思いません。けれども、築年数が古くて、いつ、いくらで買主が買ってくれるか見通せない人や、急いで売りたい人、仕事や子育てが忙しくて正直マンション売却どころでない人、内覧対応や瑕疵担保責任のある仲介にハードルを感じる人などは、買取も選択肢に入れたほうがいいと思います。それがしづらい現在の不動産業界には、何とか変わってほしいという思いが高じた3週間でした。

直接買取は専門会社がおすすめ

机上査定依頼先リストに会社名を入れていないので、ちょっと分かりづらくて恐縮なのですが、机上査定の金額が高かったところは、ほとんどが直接買取の専門会社か、直接買取に力を入れている大手でした。一方、マンション売買といえば必ず名前が出てくるような有名な大手優良不動産会社は、意外なほどに、査定額が伸び悩みました。

それは考えてみれば当然でした。直接買取の専門会社は、少しでも高額査定を提示できるように中間に業者を入れず、自社で買い取った物件をそのまま自社でリノベーションして販売しています。広告宣伝コストも抑えています。とても合理的なしくみを生み出しているから、高く買ってもやっていけるわけです。それに対して、有名な大手不動産会社の多くは、広告費用をたくさんかけており、仲介を前提にしていますから、直接売買についての合理的なしくみが十分ではありません。どちらが優れているということではなく、直接買取に限っては、直接買取の専門会社のほうが、ふさわしいビジネスモデルになっているのだと思います。

うれしいリースバック特約も

机上査定では、何社かがリースバック特約も提示してくれました。リースバックとは、不動産会社が買い取ったあと、そのマンションにそのまま今までどおり住まわせてくれるリース契約のことです。例えば、C社は、1年間、賃料7万円~8万円でそのまま住んでいいという提案をしてくれました。格安の賃料です。

リースバック特約を提示してくれたのは、私が最初「いつ退去できるか、転居先がまだ決まらないので分からない」と書いていたからでした。幸い、私は転居先がすぐに決まったので、リースバック特約を利用することはなかったのですが、(1)転居できるまでに時間かかかる、(2)早く売却してお金が必要だが、できればそのまま住み続けたい、などの状況にある方は、リースバックをうまく利用するといいと思いました。こちらの悩みに応じて、いろんなオプションサービスも出してきてくれるのはすごいですね。

ステージ3:訪問査定(無料です)

2,200万円以上の高額査定にびっくり。素晴らしい会社に出合えたことを感謝しています......。

最強4社はすごかった

たくさんの不動産会社に机上査定をいただいた結果、私は自分のマンションについて、とても多くの情報を得ることができました。

得られた情報を整理すると、

・我が家は、仲介なら相場は2,100万円~2,400万円
・直接買取なら相場は1,800万円~1,900万円
けれども2,000万円以上でも買ってくれそうな会社がある。しかも仲介方式と違って時間がかからず、万一の瑕疵担保責任(契約不適合責任=室内の不具合)も免除される。仲介手数料もかからない。

よし、2,000万円以上でスピーディーに売れるなら、直接買取でいこう!ーー。それが私の結論でした。そこで、2,000万円以上の査定額を提示してくれた会社を厳選して、4社に訪問査定をしてもらうことにしました。目標額は2,100万円以上としました。

訪問査定には、だいたい2人~3人で来てくれました。営業担当の方のほかに、査定を担当する方が一緒でした。。訪問に際して私は家の中を少し掃除しましたが、それ以上に特別なことはしていません。査定担当の方は、家の中をあちこち撮影していました。それから天井までの高さを測ったり、壁をコンコン叩いて、リフォームの作戦を練ったりしていました。1時間くらいで帰っていかれました。

彼らと話していて感じたのは、百戦錬磨のプロがいることでした。例えば、我が家は1室がとても狭くて、その部屋をあてがわれた長男坊はずっと狭い思いをしてきました。そのことを話したら、隣の部屋の押入れをなくして、空いたスペースを狭い部屋のほうに振り向ければいいと教えてくれました。いまは押入れを利用する人が減っているそうです。壁を一部壊して、押し入れの分だけ狭い部屋を広くするリフォームをすれば、次の入居者はもっと快適に暮らせるとのこと。なるほど、こうしたプロの知恵によってもっと高く評価されるリフォームが実現し、高額販売が可能になっているのだと感心しました。そのおこぼれにあずかって私は高く買ってもらえるわけですね。

余談ですが、直接買取の場合、リフォームは買取会社にまかせればいいと思います。こちらは、そんなことには一切お金をかけずに丸投げすればいいです。どんなリフォームが高額の評価につながるかはプロが一番よく知っています。下手なリフォームにお金と時間をかけるよりも、そのままで早く売ってしまったほうがみんなのためだと思います。

4社からいただいた査定額は、以下のとおりでした。

A社:2050万円

B社:2,130万円。残置物はすべて無料で処理してくれるとのこと

C社:2,280万円。残置物はすべて無料で処理してくれるとのこと

D社:2,227万円(提携先で買い取る場合は2,300万円。そこから消費税や仲介費用3%を差し引く)

机上査定では24社の中でいちばん高額を提示してくれていたはずのA社が伸び悩み、がっかりしました。けれども、2,200万円以上の査定額を出してくれたところが2社あり、驚きました。

予想していなかった上乗せ提示に感謝
残置物の処理や手付金も加味して決めました

この訪問査定をいただいた後、さらに私の予想していなかった展開がありました。各社ともに、他社がいくら提示したのか、問い合わせをしてきてくれたのです。私は、これ以上、あこぎなかたちで価格を釣り上げるつもりはなかったので、そのことを強調させてもらったのですが、最終的に、2,200万円台でさらに高額の査定額を出してくれました。

笑われてしまうかもしれませんが、この時点で、私は「2,200万円も出して大丈夫なのかな」と、勝手に不動産会社のことが心配になってきました。ここまで来たら、金額の多寡だけでなく、担当してくれる方との相性や、その会社にどれだけ共感できるかだとか、残置物の処理をどうサポートしてくれるのかとか、手付金がどれくらいだとか、さまざまな面を加味して、売却先を決めることにしました。私が選んだのは、最終的に2,200万円台の再提示をしてくれた直接買取の専業者B社でした。

意外に重要な残置物の処理

いくつか補足させていただきますと、まず、意外に重要だと感じたのは、転出先の新居に持っていかない「残置物」の扱いでした。私の場合、古い家具や家電を一掃するつもりでしたので、ものすごい数の残置物が出ました。もしこれらを自費で処分するとなると、莫大な費用がかかったと思います。幸い、B社は残置物をすべて無料で処分してくれるとのことで助かりました。

さすがに全部を丸投げしたら申し訳ないと思い、その後、引越の前に、処分業者の人に来てもらい、タンス1個、2人用ソファー1個、それから納戸にあったスキー板などの粗大ごみだけを自腹を切って処分しました。これだけでも10万円かかりました。私が残してきた他の巨大な本棚4個、エアコン3台、大型テレビ1台、大型ダイニングテーブルセット1組、ベッド1台などの処分にはかなりのコストがかかったのではないかと申し訳ない気分になりました。こんな無料サービスは、仲介ではかなわないと思います。

手付金などの詳細を詰める

残置物処理のほかに、手付金はいくらか各社に確認し、それも加味して最終決定しました。手付金については、各社の対応はまちまちでした。B社は、私が希望した200万円に満額回答してくれました。その一方で、別の会社は、原則として手付金はなく、引き渡し時に一括して支払うという回答でした。ただし希望があれば稟議にかけるとのことでした。

あとは、細かな諸費用が発生します。具体的には、住宅ローンの抹消手続きを不動産会社の提携先である司法書士に代行していただく抵当権抹消費用、契約時の印紙代などで、これらについては各社に大きな差はありませんでした。

注意ポイント

手付金が大きいと解約時に重い負担に

手付金については、ひとつだけ注意点があるので補足させていただきます。マンション売買の際には一般に、買主側からまず売却額の5〜10%ほどの手付金が支払われることが多いようです。どのくらいの手付金で契約するかは、契約によって違ってきますが、あまり高額の手付金にしてしまうと、万一キャンセルするときに重い違約金が発生するので注意しておきましょう。

手付金は、一般的に解約手付としての意味を持っています。あなたが何らかの事情で契約をキャンセルする(マンションを売らない)場合には、不動産会社に対して、受け取った手付金の倍額を支払うことで違約金とします。この負担リスクがありますので、手付金は多ければ多いほどよいというものではありません。

ステージ4:契約

簡単すぎる、楽すぎる! おかげさまで、新居への引越準備などのほかの作業に余裕をもてました。

マンション売却先が決まってからは、その不動産会社と売却・引き渡しに向けた手続きが始まります。具体的には、次のようなことを順番にクリアしていきました。

不動産売買契約の締結

B社に売却したい旨を伝えてから数日後に、B社のオフィスにお邪魔して、不動産売買契約をしました。B社が私からの情報をもとに用意しておいてくれた物件状況等報告書(告知書)、付帯設備表などを確認し、その上で、インターネット上で締結できるクラウドサインを利用して契約を済ませました。

手付金の受取

この契約時に、すぐに手付金を受け取りました。ここまで実に簡単に終わり、「マンションもこんなに簡単に売れる時代になったのだ」と驚いたことを思い出します。

残置予定の家具・家電製品リスト提出

契約してから2週間ほど後に、私がどんな家具や家電製品を残していくかリストをメールで送りました。私の場合は、引越を機に家具や家電製品を入れ替えるつもりだったので、残置物が多くなる旨を伝えてありました。「燃えるごみ、燃えないゴミとして自治体のごみ収集に出せるものは別として、新居に必要のないものは残していっていただいていいですよ」と言われたのですが、あまり多すぎたら申し訳ないと思って、かなりのものを自治体に粗大ごみとして出して、処分業者にも10万円分処分してもらい、その上で残ったものを残置させていただくことにしました。

ステージ5:引き渡し

きめ細かい配慮に感謝。担当の方が丁寧に導いてくださったので助かりました。本当にうれしくて余韻が冷めやらないのでこのブログを作り始めたような次第です......。

契約後にすぐに退出・引き渡しをする方もいると思いますが、私の場合は、転居先に引っ越せるまでに1カ月ほどかかったので、こちら側からの希望でそれまで退出・引き渡しを延ばしてもらいました。まったく問題なく、無料で了解してもらえました。

もし仲介方式で売却していたら、買主の個人のほうでもいろいろな事情があり、その事情にも合わせて退出時期を早めたりする必要があったかもしれません。買主が個人ではなく、こちら側の事情に合わせて柔軟に対応してくれる会社であったことは本当にラッキーでした。

ひたすら不用品を捨てる

退出に向けて、とくに苦労したのは、27年間住み続けてたまりにたまったものを整理し、新居に持っていかないものをひたすら捨てることでした。45リットル入りゴミ袋で合計150袋にもなりました。マンション売買の問題からは外れますので詳細は省きますが、退出までには、こうした作業があり、1カ月の余裕をもって進められたことを本当に感謝しております。

新居の契約・引越しの準備をする

1カ月の余裕があったので、新居の契約・引越しの準備も問題なく進められました。マンション売却時には、同時並行で転居先の準備をしなくてはいけないわけですから、余裕をもたせてくれる不動産会社を選ぶことは本当に重要だと痛感しました。

全額決済を受け、ローン残債処理をお願いする

退出時が近づいてきてから、あらかじめ決めておいた日に、再びB社のオフィスにお邪魔しました。ここですぐに、売却金額の残り全額の振込をしていただき、スマホでそれを確認させてもらいました。

正確に言うと、私の場合は、ローン残債がありましたので、その分は金融機関側に振込をしてもらいました。同時に、B社の提携先の司法書士に金融機関までご足労いただき、抹消手続きを代行してもらいました。

私としては、自分ですることはあまりなくて、あっという間に、実に簡単にマンション売却を終えられました。

引越、そして引き渡し

その後、転居先の準備が整ってから、引越をおこないました。子供たちも手伝ってくれたのですが、長く住んできたマンションのあちこちを名残惜しそうにスマホで撮影していました。

その数日後、B社の方にマンションに来ていただき、鍵の受け渡しをして、退出しました。ここまで本当に気持ちよく、進めることができました。売却金額にとても満足していることも大きいのですが、これだけ柔軟に対応してくださったことに本当に感謝しております。

 

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